学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

電流駆動アンプ

通常のオーディオ用パワーアンプは、スピーカ負荷の変動に関わらず同じ電圧を出力する定電圧駆動アンプに近い。それに対して、電流駆動アンプと呼ばれる特殊なアンプがある。電流駆動は曖昧に理解されていることが多いようで、正確に理解できるように以下に…

定電圧駆動アンプ

スピーカーを鳴らすために必要な電流を増幅する装置をパワーアンプと呼ぶ。本ページでは、電力増幅、またスピーカを負荷とする際に特有の問題について述べる。 現代のパワーアンプの周波数特性は、可聴域を十分にカバーしており、本来周波数帯域が不足するこ…

信号伝送

かつてオーディオ機器を含めた電機機器はすべてアナログ製品であり、アナログ電子回路技術は非常に重要なファクターであった。 ディジタル信号処理の黎明期には、信号全体をディジタル処理するほどのパワーがなく、表示系やカウンタなどの一部の機能にしか使…

アナログ・イコライザ

音声信号処理の中で、最もオーディオ再生において使用されるのがEQ(イコライザ)である。 主に周波数-振幅特性を補正する機器、機能として使用されるが、もともとはEqualizerという名前の通り、直訳して"等化器"の意味である。オーディオ用途だけでなく、無線…

ディスクプレーヤ

かつて音楽再生の主流であったCDプレーヤは主役の座を降り、すでにディスク再生よりもポータブル、ストリーミング再生の方が主流となった。市民の関心もオーディオより映像、ネットコンテンツに移った。過去にはオーディオ業界が先導したニセ科学的な謳い文…

この一連の記事では、AV(オーディオ・ヴィジュアル)研究について述べる。 kazimaは大学で基礎物理学を専攻し、かつて組み込み音声信号処理のプロとして活動しており、現在も大学で音響物理学を研究する立場である。基礎物理学徒として、音響物理学徒として…

エンドピン

2000年前後からエンドピンの素材により音質が変化するという話が出始め、従来の鉄、黒檀等以外にも真鍮、チタン、アルミ、タングステン、カーボンファイバーなどの素材が試されている。 密度が変われば楽器の重心とエンドピン先端まわりの慣性モーメントが変…

ペグ(糸巻き)

ペグも弦に直接繋がるパーツであるため、軽く強い素材であることが求められる。ペグ、テールピース(ヴァイオリン、ヴィオラの場合は顎当ても含める)を合わせてフィッティングと呼ぶ。 ペグは摩擦力で弦を留めるので使い込むほどに消耗するパーツであり、楽…

テールピース(緒留め板)、テールガット(緒留め紐)

弦に直接繋がっているテールピースは、それ自体が共振して不要音を生じないことが必要である。 また弦の振動のエネルギーを抑え込んでしまわないように軽量でなければならない。 定番はアクースティクス社製やウィットナー社製のプラスチックテールピースで…

魂柱(サウンド・ポスト)

魂柱は魂の柱という名のとおり、楽器の音質を最も変化させる部材である。 表板→裏板の振動伝達を担う役割を果たしており、表板と裏板の圧力で姿勢を保持しているためその工作精度、材質は非常に重要である。 材質はスプルースで柔らかいため比較的消耗しやす…

高品質な楽弓のスティック(棹)にはブラジル西部産のフェルナンブーコという素材が使われる。 安価なものにはブラジルウッド等の廉価な素材が使われることがあり、これは素材の弾性率がフェルナンブーコよりも明らかに劣るために安かろう悪かろうの弓でしか…

チェロ本体

チェロ本体が発音する原理は、弓で弦を擦ることにより発生した振動が弦→駒→表板→魂柱→裏板と伝搬し、 裏板の振動が音波としてf字孔から輻射されることで楽音を生じるというものである。 このため、各部材の素材は音の伝搬特性がよいものでなければならない。…

チェロの小科学・はじめに

本ページはチェロの再生音についてのポータルページとして運用する。 詳細な記事は今後別途作成し、本ページには基本的な内容を記述するに留める。 鹿島勇は学部生時に大学交響楽団・チェロパートに所属していた。 本ページでは今までに得た科学的知見と音楽…

家族の日、家族の週間

11月の第三日曜は家族の日であり、家族の団欒を楽しむ日であるという。 それに伴い11月には家族の週間もある。 本来なら、家族の日をわざわざ設定しなくても普段から家族を大切にすべきである。 このところ何かにつけて記念日を口実にしたイベントがが多い(…

FIRフィルタの計算効率調査

音声信号処理で多用されるFIRフィルタは、時間領域での積和演算で畳み込む方法と、信号をFFTして周波数空間でかける方法がある。 この2つの方法は等価な結果を生むが、計算コストは違う。 一般には低いtapsでは時間領域での計算の方が効率的であり、tapsが…

庭に迫る竹藪

我が家の裏庭は隣家の土地の孟宗竹の竹藪に面している。 よく知られるように、竹藪は繁殖力が強く、 簡単に土地の境界を侵食して地下茎が伸びる。いわゆる「竹害」である。 地下茎が深く潜ると、深さ5メートルほどにもなり対処できなくなる。 我が家でも表面…

高気密住宅と薪ストーブ

高気密高断熱住宅には24時間換気システムが付属する。気密構造にすることで冷暖房効果を高め、換気により湿気のこもりやカビ発生を抑える。吸気と排気を換気扇で調節するのが一種換気、排気のみを換気扇でするのが三種換気である。ランニングコストを抑える…

敷地の中央にある古井戸の処置

我が家の敷地の中央部には、もはや使われていない古井戸がある。寸法は直径80センチほどのいわゆる側井戸である。困ったことに、井戸の蓋になるコンクリート製の上物が撤去されている状態で放置されていた。元々は井戸の位置に古い家屋があり、台所の位置に…

無意味に狭いエントランス・アプローチの改善

エントランス 我が家の出入口(エントランス・アプローチ)は、 敷地の角部分に一応自動車で出入りできる程度の幅を確保した形でしかなく、 かつて敷地内で出た残土がエントランスから入ったすぐ脇にぼた山となっているなど、 お世辞にも綺麗なアプローチに…

より快適な居住生活を目指して

久しぶりにblogを更新することにした。 個人のHPは、htmlを自分で編集する形からblogに移行してから久しく、現在はtwitterやFBなどのより簡便なシステムを利用する方が多くなっている。学問の小部屋は運営10年を超え、当初の形態(HTML)のままの形を残す意味…

スピーカの選び方

今回は言論タグにてスピーカの買い方を論じる。 一般家庭において、スピーカを選ぶのは簡単である。はじめに許容される床面積を決めておき、店頭でこれはと思ったスピーカを買えばよい。 現在市販されているスピーカは、どれもこれも不完全な代物であり、音…

タブレットデビュー

今更ながら、androidタブレットたる製品をひとつ購入した。 Googleのnexus10である。(売価37000円) 本製品は、液晶のスペックの割に画質がイマイチという評判で、 CPUの性能などもあまり高くないこともあり、それほど人気がないようである。 選定の基準は…

市販CCFL用インバータの性能

2011年の地震以降、ガイガーカウンタを自作する人が増えた。 ガイガーカウンタには10kV程度の高電圧を発生させる仕組みが必要である。市販品のCCFL用インバータは安価かつ高圧(AC)を簡単に発生でき、高圧発生源として有用である。ところが、市販のインバータ…

どぶ汁風白身魚鍋

今回は、どぶ汁風の鍋の作り方を紹介する。 以前「和創はやしだ」で頂いたあんこうどぶ汁に感銘を受けてから、ずっとどぶ汁ような鍋を作りたいと思っていた。 どぶ汁はあんこうの身とあん肝の水分のみで作る味噌仕立ての鍋である。 どぶ汁を作るには、あんこ…

インスタント麺を食べるタイミング

多くのインスタント麺は、熱湯を注いで3分で食べられるなどと説明書きに書かれている。ところが、これを正直に守ると、数分経つとすぐに麺が伸びてしまい食感が悪い。 おそらく食品メーカーでは、3分直後の一口の試食で製品を評価して、すべてを食べきる評価…

ギュスターブ・フローベール曰く7

早くもこの題目の更新ができた。 鹿島勇は技術士一次試験 電気電子部門(技術士補試験)に合格した。 技術士は工学博士号に準ずる技術的称号であり、技術士を取るためにはまず一次試験に合格する必要がある。 将来的に技術士試験を受けるかは不明としても、…

ギュスターブ・フローベール曰く6

鹿島勇は第65回 ラジオ・音響技能検定試験2級に合格した。 以前受験したディジタル技術検定の姉妹検定で、文科省後援の公的資格である。 http://d.hatena.ne.jp/kazima/20120729 2級のレベルは、一陸特レベルの無線問題と、オーディオの基本知識といったとこ…

今年は少々特別

昨日は誕生日であった。いよいよ三十代に突入である。 とはいえ、25から何一つ行動が変わっていないので、行動としての節目ではない。 おそらく年齢とは外から見たときの印象を決めるもので、その年令なのでどうこうということは、何一つないとおもわれる。 …

ソーラーガーデンライト事情

ソーラーガーデンライトは、庭にイルミネーション効果を与えるだけでなく、安全のための外灯としての役割ももつ。 ところが、市販のライトの多くで外灯としては十分な明るさが得られず、結局AC100Vに頼ることになる。 これでは、せっかく無給電で動作するソ…

ようやくすっきり

鹿島勇のPC環境の最大の不満は音声入出力系であったのがようやく解決した。 192kHz24bitで簡便にアナログ/ディジタル同時入出力できる環境はASUS Xonar D2Xしかなく、USBバスパワーで動くデバイスでの解がなかった。 スリムケースでPCを作るとフルハイトPCI…