学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

科学

アナログ・イコライザ

音声信号処理の中で、最もオーディオ再生において使用されるのがEQ(イコライザ)である。 主に周波数-振幅特性を補正する機器、機能として使用されるが、もともとはEqualizerという名前の通り、直訳して"等化器"の意味である。オーディオ用途だけでなく、無線…

ディスクプレーヤ

かつて音楽再生の主流であったCDプレーヤは主役の座を降り、すでにディスク再生よりもポータブル、ストリーミング再生の方が主流となった。市民の関心もオーディオより映像、ネットコンテンツに移った。過去にはオーディオ業界が先導したニセ科学的な謳い文…

この一連の記事では、AV(オーディオ・ヴィジュアル)研究について述べる。 kazimaは大学で基礎物理学を専攻し、かつて組み込み音声信号処理のプロとして活動しており、現在も大学で音響物理学を研究する立場である。基礎物理学徒として、音響物理学徒として…

チェロの小科学・はじめに

本ページはチェロの再生音についてのポータルページとして運用する。 詳細な記事は今後別途作成し、本ページには基本的な内容を記述するに留める。 鹿島勇は学部生時に大学交響楽団・チェロパートに所属していた。 本ページでは今までに得た科学的知見と音楽…

FIRフィルタの計算効率調査

音声信号処理で多用されるFIRフィルタは、時間領域での積和演算で畳み込む方法と、信号をFFTして周波数空間でかける方法がある。 この2つの方法は等価な結果を生むが、計算コストは違う。 一般には低いtapsでは時間領域での計算の方が効率的であり、tapsが…

市販CCFL用インバータの性能

2011年の地震以降、ガイガーカウンタを自作する人が増えた。 ガイガーカウンタには10kV程度の高電圧を発生させる仕組みが必要である。市販品のCCFL用インバータは安価かつ高圧(AC)を簡単に発生でき、高圧発生源として有用である。ところが、市販のインバータ…

ソーラーガーデンライト事情

ソーラーガーデンライトは、庭にイルミネーション効果を与えるだけでなく、安全のための外灯としての役割ももつ。 ところが、市販のライトの多くで外灯としては十分な明るさが得られず、結局AC100Vに頼ることになる。 これでは、せっかく無給電で動作するソ…

格安・入門FPGAの実情

FPGAを使って本格的な論理回路を組みたいと思っている人は結構たくさんいる。 ところが、入門用として挙げられるFPGA基板を使うには、 大きな問題があることがわかってきた。 慣れている人なら大丈夫とは、初心者には使えないことを意味する。 マルツパーツ …

竹林管理の話

鹿島勇の実家の敷地には少々の竹林がある。春先には筍が取れるので多少の恩恵はあるものの、いわゆる竹害もやはり発生している。 竹林に近い農業小屋の土間から筍が生えてきて、知らぬ間に竹になりかけたことがあり、もう少しで屋根を突き破りそうになったこ…

工作技術の基礎2

以前、工作技術の基礎として孔あけの方法を紹介した。 今回はヤスリがけについて述べる。 切断だけでは寸法を合わせにくいとき、あるいは面取りするときにはヤスリがけが必須である。ヤスリがけの方法は、鋸挽きなどと違って講習を受けることが少なく、間違…

自然エネルギー利用の話1

3/11地震のあと、自然エネルギーに対する関心が高まっている。 従来は高コスト、不安定という点からあまり積極的に推進されることはなかったのが、原子力のようなリスクがないために、大きく見方が変わってきた。 家庭にも太陽光発電や太陽熱温水器を導入す…

工作技術の基礎

今年もできることをやる。できないことも考える。電子工作を主体としても、簡単な機械工作は避けて通れない。 回路を作ったらケース加工も必要である。 今回は基本中の基本として、孔あけの方法について記述する。 一般に回路基板用ケースとして使用される1m…

優れたオフィス用椅子とは

デスクワークの多い現代人にとって、椅子は重要な道具である。質の悪い椅子を長時間使用すると、腰や足を痛める可能性もあるし、作業がはかどらない。 そこで今回は、どのような椅子が事務作業に適しているのかを考える。 最も優れているオフィスチェアは、…

導電塗料探索

現在研究中の内容で、一般にも役に立ちそうな知見が得られたのでメモを残しておく。絶縁体に電流を流したい場合や、EMC対策(電磁波シールド)が必要な場合、電気伝導性のある塗料が求められる。 絶縁体に厚めの金属メッキができれば何の問題もない。そうで…

ひとつの朗報

http://d.hatena.ne.jp/kazima/20100811 こちらで記載した内容に再び関連して。最近問題となっているホメオパシーについて今日このようなニュースがあった。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100825-00000011-cbn-soci 長妻昭厚生労働相は8月25日、ある…

なぜニセ科学批判はメジャーにならないか

今回のお話は、学問の黒板にて最も人気のある(?) http://d.hatena.ne.jp/kazima/20061003 からの流れの続き。世の中にはろくに検証されていない、いわゆるトンデモ理論やオカルト論法がたくさんある。完全に論理を無視しているものはともかく、一見科学的…

科学の宗教性

科学と宗教とは相容れないものとして考えられがちなものである。しかし今回は、科学(ここでは自然科学)には宗教性があることを指摘する。(実は今回の議論はだいぶ前にやったことがあり、明文化していなかっただけである) 宗教の特徴とは、何か疑いの余地…

布団のメンテナンス

一般的に布団は干して柔らかさを維持すると考えられており、それ以外の処置は表面のカバーを取り替えるくらいのことしかしない。しかし、これだけでは根本的に解決できないことがある。 布団を干すのは内部の繊維に染みとおった水分を天日に晒して蒸発させ、…

直視モニタの行末

鹿島勇は現在テレビを作っている。しかし、もちろん現場の話は書くわけにはいかない。 今回は現場でやっていることではなく、少し未来のお話。 現在家電量販店などで3D対応TVが出始めており、それなりに話題になっている(売れているかはともかく) 3Dとは言…

最近の研究活動その1

とはいっても今回はただの予告である。 現在の鹿島勇の業務は音声回路・ソフト設計であるため、業務上は研究と呼べることは何もしていない。 しかし、個人的に取り組んでいるテーマはあるにはあり、その目処はあと一歩で立つと思われる。 具体的にはスピーカ…

実験の基礎の基礎

鹿島勇が実験の指導やサポートを行うとき、必ず注意することがある。 それは実験室で飲食している場合である。 このようなとき、「実験室でモノ食べたらいかんよ、下手すると死ぬから」と言う。 電子機器を扱っているところに水気があると感電死する可能性が…

まるっきり愚痴

世の中には応用物理を物理と勘違いしている人がいる。 応用物理は工学であり、基礎物理は理学である。応用物理しか知らない人に物理は云々と言われると基礎物理の人間としては非常に困る。 また、世の中には量子力学のことを最先端の物理と考える人が多い。…

抗ヒスタミン剤と鼻づまり

鹿島勇は重度の花粉症である。 小学生の頃からスギ花粉症に悩まされており、毎年薬は飲んでいるが改善はしないようである。 しかし、鹿島勇の花粉症は典型的なアレルギー性鼻炎の症状を出しているらしく、幸いなことに定番の薬がよく効くようである。特に点…

外装による強制断熱

熊谷の冬は寒い。内陸であり赤城おろしと呼ばれる風が吹き下ろしてくるため、冬はひどく気温が下がる。特に少し作りの古いアパートに居住する身からすると、寒さ対策と暖房代節約は重要な事項である。鹿島勇はこの冬が初めてであり、今のアパートに防寒対策…

暖房器具の一般論

鹿島勇はこの冬から八畳一間の部屋に引っ越したので、今までの六畳間よりも暖房についてより真剣に考える必要が出てきた。 そこで今回は各種暖房について諸特性を整理してみる。 まず、最近のエアコンは熱輸送技術の進歩によりランニングコストが石油暖房よ…

エデンの電算機

ここ数日話題の民主党事業仕分けによる「京速計算機」計画凍結について。 「政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は13日午前、10年度予算概算要求の無駄を洗い出す事業仕分け3日目の作業を行い、文部科学省が進める次世代スーパーコンピューター…

本の整理

同じところでしばらく生活していると、書類や本類が自然とたまってきて棚がいっぱいになり、新しい棚を買おうとすることがよくある。 若いうちはマンガ本などが書架を埋めているということも多々あるし、そうでなくとも古い本は中古で安く買えるために整理に…

足踏み

先日携帯電話を機種変更した。 三年前に購入したW41CAがついに寿命を迎えたようで、AUに調べてもらうとICチップにヒビが入っていたそうで、これでは復旧させる意味がないために機種変更に踏み切った。しかし、三年前から携帯電話がどの程度変化したかといえ…

ふりだし

かつて学問の小部屋は空想科学読本をモデルとした「空想世界の科学的理解」をメインコンテンツとして始まった。 しかし少しずつ物理学の知識が増えていくにつれて空想科学よりも本物の科学の方が面白いと思うようになり、二年ほど運営したところで空想科学の…

素直にお祝いを

注:今回の記事では、素粒子・原子核物理学の用語を敢えてそのまま用いている。本日のニュースによれば、string理論を始めた南部先生とCKM行列の小林・益川先生がノーベル賞を受賞したとのこと。南部先生には去年の夏ごろに一度お会いした(講演で見かけた)…