学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

自然エネルギー利用の話1

3/11地震のあと、自然エネルギーに対する関心が高まっている。
従来は高コスト、不安定という点からあまり積極的に推進されることはなかったのが、原子力のようなリスクがないために、大きく見方が変わってきた。
家庭にも太陽光発電太陽熱温水器を導入する検討が盛んになってきた。
また、新しい見方が出てきた。ランニングコストや売電だけを考えるのでなく、災害時に電気、温水を使えるようにする防災用保険としての役割が注目されてきた。仮にコストで元が取れなくても、掛け捨ての保険と思えばよい。
新エネルギーというと太陽光発電が最も脚光を浴びている。しかし、太陽熱温水器の方がより効率の高いシステムとして知られており、鹿島勇は太陽熱温水器を先に検討することにした。
太陽光発電は今後強烈な価格破壊と効率改善の兆しが見えているが、太陽熱温水器はそれほどでもないからである。

太陽熱温水器の特徴として以下が挙げられる。

  • 太陽エネルギーの利用効率がよい
  • 湯沸しにしか使えない、実質風呂専用
  • 屋根にタンクを上げると荷重の問題がある
  • 飲用水には推奨されない
  • そこそこ高価(20万〜80万)

と、デメリットばかりあるように見えるものの、高効率の湯沸しのメリットは凄まじく、それだけでも導入する価値はある。うまく使えば停電しても入浴可能である。
太陽熱温水器にも、自然循環型、強制循環型などいくつかのタイプがあり、凝ったシステムほど高価である。あまりに高価では公共施設などでは意味があっても一般家庭では現実的でない。一般家庭に導入するならば、精精〜30万円が限界であろう。それ以上のシステムを導入するならば、もっと他のことに使いたいと考えてしまうからである。
現状でこれくらいのコストであれば、自然循環式または水道直結式のタンク一体型、あるいは強制循環型の小型モデルが候補となる。自然循環式はひとつ大きな留意点がある。屋根の上からの落下水圧だけで運用できるならランニングコストはないが、現在のユニットバスの多くにつけられている給湯器に接続しようとすると、加圧ポンプつきのブレンダーユニットが必要である。加圧ポンプは100W程度の電力を消費するので、ランニングコストは馬鹿にならない。そこで、自然循環式よりは若干コストが高いものの、強制循環タイプの方が扱いやすい。循環の方式は太陽光発電を利用するタイプや水道直結タイプなどがあり、安価なのは水道直結タイプである。
このように考えて太陽熱温水器を導入しようとしたところ、大きな問題にぶつかった。給湯器自体が温水入力に対応しておらず、接続が不可能であった。
残念ながら、太陽熱温水器は現在の給湯器を交換する時期にならないと検討できなさそうである。その他、温水を利用する方法については継続して検討中である。