学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

ふりだし

かつて学問の小部屋は空想科学読本をモデルとした「空想世界の科学的理解」をメインコンテンツとして始まった。
しかし少しずつ物理学の知識が増えていくにつれて空想科学よりも本物の科学の方が面白いと思うようになり、二年ほど運営したところで空想科学の更新は止めてしまった。
また現実世界にある「ニセ科学」の問題や音響工学への興味から、空想科学について考えることはほとんどなくなってしまった。

空想科学読本の一巻のあとがきにあるように、柳田理科雄氏は最初空想科学の企画を大学の物理学者のところへ持っていったときに、「君、そんな夢を壊すようなことをしてどうするの」という突っ込みを受けたそうである。
それでも、空想世界から始めて真の科学の理解の一助となればという考えで柳田氏も出版を決意したようであるが、実際に空想科学読本が何か科学の理解に役に立ったかといえば、残念ながらそうではないと言わざるをえない。
ただ、そういうジャンルの本がいくつか売られるようになったというだけであった。

また、空想世界の擬似科学を実際にあるものと考えるほど愚かな大人も殆どいないことから、結局このジャンルは役に立たないという結論を下した。それよりも、現実に騙される人々が続出しているニセ科学を洗い出す方が学問の小部屋にずっとふさわしい。

というわけで、鹿島勇は空想科学の記事を書くことを早々にやめてしまったのである。
誰も気にしていないことではあっても、今まで明文化していなかったので今回の記事で書くこととした。