学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

暖房器具の一般論

鹿島勇はこの冬から八畳一間の部屋に引っ越したので、今までの六畳間よりも暖房についてより真剣に考える必要が出てきた。
そこで今回は各種暖房について諸特性を整理してみる。
まず、最近のエアコンは熱輸送技術の進歩によりランニングコストが石油暖房よりも下げられるという報告がいくつもある(極端な寒冷地を除く)ので、基本はエアコンとするのが望ましいと考えられる。その他詳しい燃費の考察はよいサイトがいくつもあるのでそちらを参照されたい。

  • 石油ストーブ

灯油を使うので低燃費、安価。またストーブの上で煮込み料理や湯沸かしが可能。これはその他の暖房器具ではできない。デメリットは着火不良の故障が多い、温度調整が難しい、比較的危険。灯油の補給が非常に面倒。料理が必要なければ石油ファンヒーターの方が使いやすい。換気必要。

低燃費、比較的安価。やや即暖性があり、新しいモデルはコンパクト。安全装置が充実しており安全。欠点はやはり灯油補給が面倒なところ、騒音、換気必要。

  • ガスファンヒーター

低燃費、やや即暖性あり。灯油補給が必要ない。デメリットはガス栓があるところでしか使えないこととガス漏れなど若干の危険性があること、騒音、換気必要。

安価、即暖性高し、局所暖房向き。構造的に安全、乾燥もしない。デメリットは高燃費、部屋全体が暖まらないこと。

  • オイルヒーター

ゆっくり部屋全体を暖めるタイプ。非常に安全、乾燥しない。気密性が高く広すぎない部屋向け。局所用の小型モデルもある。デメリットは即暖性が低いこと、極端に高燃費なこと。

  • こたつ

低燃費、乾燥しない、テーブルつき、比較的即暖性あり。インテリアそのもののため部屋を選ぶ(ほぼ和室限定)

  • 床暖房

電熱を利用するため高燃費、部屋全体を暖めるには向かない。器具というより設備。

  • エアコン(最近のモデル)

実は最も低燃費、設置場所を取らない、冷房にもなる、安全。デメリットは高価、騒音、部屋の乾燥、使いこなしに知識が必要なこと。加湿器併用を推奨。

と列挙してみて、やはり一般家屋の部屋暖房は最近のエアコンを基本とすべきと思われる。台所には石油ストーブ、和室にはこたつ、デスクには小型の電気ストーブまたはオイルヒーターといったオプションを入れるとしても、設備を整えると石油ファンヒーター、床暖房の出番がないことに気付く。冬場に灯油を汲みに行くのは非常に面倒かつ寒い思いをすることなので、できるだけファンヒーターは排除してエアコンに任せた方が快適に過ごせるものと思われる。

しかし、エアコンを全部屋に導入するのは予算面で難しいのも事実なので、そもそも暖房を使わなくてよいライフサイクルに転換することも必要であろう。体を暖めるのにもっとも手っ取り早い方法は運動することと厚着することである。それを忘れて暖房の効いた部屋で薄着で過ごしたいなどと言い出すならば、それなりのコストとエントロピー増大を覚悟してもらわないといけない。

要は、冬は暖かい格好をして運動しましょうというお話。