学問の小部屋

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竹林管理の話

鹿島勇の実家の敷地には少々の竹林がある。春先には筍が取れるので多少の恩恵はあるものの、いわゆる竹害もやはり発生している。
竹林に近い農業小屋の土間から筍が生えてきて、知らぬ間に竹になりかけたことがあり、もう少しで屋根を突き破りそうになったことがあった。
困ったことに、敷地内の竹林は隣接する土地とつながっており、一気に伐採処分することはできない。
地上の竹を伐採しても根が大きく張ってしまい、さらに地下茎が横に伸びて想定外の場所にまで侵食することであることが知られている。
一度侵食した竹は根こそぎ掘り起こさないといつまでたっても地下茎が生き続け、問題が解決しない。一度地下茎を掘り起こしても、知らぬ間にまた侵食を始める。
対策のため、土地に50cmほどの深さの溝を掘って地下茎を止めるのが一般的である。実際のところそれはほとんど気休めで、簡単に溝の下に潜り込んでしまう。さらにしっかりと地下茎を止めるためにはコンクリートで布基礎を施行したり、竹の根止め材で土地を区切ったりする。いずれの方法も、一度下に潜り込まれると終わりである。竹も生き物なので、障害があれば根を深く伸ばして障害を乗り越えようとする。極端な場合、2mほども地下に潜ることもあるらしい。こうなると、絶対安全な対策はないと言わざるをえない。(何もしないよりははるかにまし)
竹の生育について考えると、竹は日照を好むが乾燥を嫌う。よって直射日光が当たる方が竹は生育しにくいことになるので、地下茎止めを施したあと周囲を皆伐し、根まで掘り起こして下草もしっかり刈り取ってやるとよいのではないか。実際、実家の土地でも皆伐した部分はあまり筍が生えてこない。
根本的な対策は竹林をなくしてしまうことである。しかし、自分の土地以外からの侵食も多々あるために、対症療法しかできないことが大多数である。
本来竹は外来種であり、日本の植生を乱す存在である。竹林を愛でる文化もあるにはあるが、現代ではデメリットの方がはるかに大きく、竹林の管理を真剣に検討するべき時代になった。
鹿島勇の実家の場合は溝を掘る程度で今はあまりしっかりした対策をしていないので、いずれ土地を改造する際にはできるだけの対策を施してみようと考えている。