学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

格安・入門FPGAの実情

FPGAを使って本格的な論理回路を組みたいと思っている人は結構たくさんいる。
ところが、入門用として挙げられるFPGA基板を使うには、
大きな問題があることがわかってきた。
慣れている人なら大丈夫とは、初心者には使えないことを意味する。

  • マルツパーツ アルテラEP1C3T100C8Nボード

マルツで売られている5000円ほどの入門用cyclone FPGAボード。
ゲート数15万と結構大規模な開発ができる。
ところが、2012年現在最新の開発環境Quartus II ver12.0(web edition)ではすでに無印cycloneのサポートがなく、
古いverの開発環境を用意しないと使えない。
なお、無料のweb editonでなく有償のsubscription editionであればサポート継続中である。
無料のver12を使うには、最低限cyclone2のチップが必要である。
マルツパーツは平気でサポート終了後のチップを入門用として売っている。
これでは、cycloneを扱ったことのある者にしか使い物にならない。

  • ディジタルデザインテクノロジ第一巻付録 LatticeXP FPGAボード

LatticeXPはFPGAベンダーとしてマイナーな部類に入る。
こちらも、FPGAの専門家がデモ用FWを提供しているだけで、
初心者が自分で勉強していけるような環境にない。
アルテラのように、都合の良い代替ボードの候補もないので、なお悪い。

独学するためには結局のところ、
FPGAのオリジネータであるXillinx社の入門ボードと参考書を買うしかない。
軽く考えて何か作れるかもと思って、
格安FPGAボードに手を出すのは無駄な出費である。

FPGAについてわずか数日学んだだけでも、これくらいのことがわかった。

  • 2015 6/11追記

その後調べたところ、無印CycloneはQuartus II web editionではv11.0sp1までサポートしていることがわかった。
Cyclone II〜III/LSは13.1までと、段々レガシーサポートが切れてきている。
v11.0sp1は
https://wl.altera.com/download/software/quartus-ii-we/11.0/
からDL可能である。

  • 2015 6/28追記

ALTERAのデバイスサポート状況は、
http://dl.altera.com/devices/
で確認できる。