学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

マイコン工作をやらない理由

鹿島勇は電子工作はよくやるのに対し、マイコン工作はやらない。
理由は、最低でも数千円かかるのに大したものが出来上がらないからである。もちろん、LED点滅やタイマー回路の基本を学ぶにはマイコン工作は避けて通ることができなく、経験しておくことは大切である。ところが、完成形を想像しながらやるということは大切なことであって、マイコン工作にはそれがない。大抵のものは専用ICや市販品で機能が完備であり、マイコン工作を何かの制御として使う道具として使うことはあっても、マイコン単体で完結することがほとんどない。(JTAGアダプタなど、ごくごく一部の道具としては使用できる)
すなわち、スピーカー工作などと違ってコストパフォーマンスに魅力を感じないために、手を出しにくいと感じている。工作そのものを楽しむ、勉強用と割り切れば学ぶ意欲は湧いてくるし、実際マイコンを扱ったことがないわけではないが、それ以上のものにならないのがとても残念である。
せめてマイコンが192kHz24bitの音声信号処理用のDSPとして使えるほどの性能を持っており、それが数千円で完結するのならば考えようもあるが、このような高性能マイコンを使用するためには数万円ほどのコストがかかる。ならば専用DSPの評価ボードでも購入したほうが安く、使いやすい。
もっともこれは仕方ないことではある。実用に耐えるDSPボードが数千円で買えるためにはそれなりに需要を見込む必要があるが、それを自分でやろうとするような人間はあまりいない。商売が成り立たない以上そのような製品は出ても数万円の世界であり、PCを使用したほうが安いということになる。
最近出たinterface誌に付属するマイコンが48kHz信号を扱えてやっと実用に耐えるものになりかけている。しかし、これを使いこなすよりBEHRINGER DCX2496でも使ったほうが早く、高性能で安定したシステムができる。
これではやはりマイコン工作をやろうという気になることができない。

今回はただのぼやきであった。