学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

むしろ歴史を知らない?

民主党政権トロイカ体制を復活させるのだという。
管・鳩山・小沢(・輿石)で権力を再び分散させるのだという。
今となっては、正義感が強いだけで実態が伴わなかった鳩山由紀夫と、そもそも正義感なんてものがない小沢一郎復権させるのは、国民からすれば到底納得できるものではない。しかし、そんなどこにでも書いてあることは今回の本論ではない。
問題は「トロイカ体制」にある。寡頭政治として代表的なのは古代ローマ三頭政治ソビエトトロイカ体制であるが、権力を分散したことでバランスが取れて末永くうまくいきました、などということはまったくなく、いずれも短期的に崩壊している。にもかかわらず、なぜ今更「トロイカ体制」なのであろうか?その一角(要は小沢一郎)が出しゃばることなどは目に見えているのに、トロイカ体制で行くというのは始めからバランスの取れた権力構造を諦めていると見える。察するに、トロイカとでも名前をつけて小沢一郎を最高幹部に据えないと納得しなかったからであろうが、そうやってズルズルと権力構造を引きずっていくと、短期で崩壊するのは歴史が証明している。政治家は歴史を学ばないことが多いのか、寡頭政治が成功した試しがないことを理解していないのかもしれない。
これだけ情報化社会になったのならば、国のトップは国民が選ぶ大統領制の方が国民の納得が行くものであろう。現在の選挙システムは、議員と政党名という自由度が2しかない統計であるから、各法案について国民がどう思っているのか、総理大臣には誰がふさわしいのかをうまく反映しない。web投票を活かした直接民主制が可能な時代になりつつあるのであれば、それにふさわしい政治システムが必要である。少なくとも、総選挙をやった直後に再び総選挙だなどという意見が出ないよう、国民の意思を反映するシステムを構築するべきである。世論は必ずしも正論ではないのでそれにより正しい選択が行われるとは思えないが、その場合は国民が納得した上で自分の責任を取ることを自覚するべきである。
政治家も国民も自分の責任と歴史を学べというお話。