学問の小部屋

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ハムカツの食べ方

ハムカツの公平な食べ方を考える。何が公平なのかが題名を見てわからなかった人は勉強が足りない。

ハムカツとはハムをカツにしたものである。
当然ながらトンカツのように肉厚ではなく、通常はかなり薄くスライスしたものが供される。元々トンカツが用意できないときに代替品として考案されたものなので、その格はトンカツに及ぶべくもない。
また、現代ではハムカツを単品で食べることも実際にはあまりない。ハムカツと大差ない値段でトンカツを買えるからである。その差は精々200円程度なので、わざわざハムカツを選ぶからには何かの理由がある。

ハムカツが活躍するのはやはりサンドイッチであろう。
トンカツほど分厚くならないまでも豚肉を使うことができ、ボリューム感を出すことができる。あくまで薄い肉厚でボリュームを出す用途に限られるのである。
それではハムカツをどうやって食べるか。一般的にはソースを使い、トンカツに類する食べ方をする。ところが、ハムカツにトンカツと同じようにソースをかけると辛すぎてしまい品がない。
それならば、いっそソースを排して辛子をつけて食べると良い。サンドイッチにもハムカツとマスタードや辛子を挟むと、ソースでコテコテにするよりもはるかにさっぱりと食べられる。うまいハムカツとは脂が多すぎず、衣も薄めでしっかり油が切られているものである。ハムは元々肉の繊維が切られているので歯ごたえなどはないから、あとはいかに衣のサクサクした食感を残せるか、その点でもソースはNGである。

残念なことに、市販のハムカツはあまりよいハムが使われておらず、ジャンクフードの類に入る。よいハムであればカツにせずそのまま食べるからである。すなわちインドのチャイと同じくいかに安くそれなりに料理を作るかのために編み出されたものであるから、ハムカツサンドをつまみつつその精神を見習ってみるのもよろしかろう。