学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

草枕

世の中にはいろいろな人がいる。
人付き合いの中では、一人の人のなかのある部分は好きになれても、それ以外の部分の欠点が目立つとあまり付き合いたくないと思うことはよくある。
それは人によって許せる、許せないがあり、欠点が他者から見れば長所である場合もある。
例えば、喫煙者、約束を守らない、風呂に入らない、遅刻がひどい、粘着質である、服の趣味が悪い、話が長い、声が小さすぎる、声が大きすぎる、我侭である、裏表が激しい、女好きである、責任逃れをする、などなど。
こういうヤツが一番嫌いだ、というのも人の好き好きであるから、どのようであればダメなのかということは付き合ってみないとわからないことが多い。そばの啜り方がだめだと言われた医師もいるらしい。

人の性格に依る部分が多いとはいえ、それはそれで個性であると見ることもでき、一人の人間として生きる権利を尊重すると直せとは言えない場合も多い。
さらに、相手との関係によっても言えないことも多い。上司である、客である、教師である、などなど。
明らかにNGである場合も存在する。それは法律、条例違反の場合である。
このときは相手との関係に関わらず糾弾できる。一応は。

鹿島勇の場合、相手がその立場上備えていないといけない能力を持っているかどうかが閾値である。
高校生ならば中学までの基本的学力と教養、大学生ならば高校生までの、というふうに。鹿島勇のようにエンジニアとして勤務している場合は、最低限エンジニアとして活動するのに必要な知識を備えているということであり、大学以上となると専門分野によって大分知識が異なるので、高卒程度の教養を要求している。また、二十歳を超えれば大人であるから、自己責任で行動を取っているかということ、また法律や条例を守る意識を持っているか、ということである。いわば、ある程度の客観的指標に従う基準を持っているということになる。
このような甘い基準でも引っかかる人は多いし、逆に自分も多くの人の閾値に引っかかっているのであろう。

「智に働けば角がたつ、 情に竿させば流される、 意地を通せば窮屈だ。 とかく、この世は住みにくい。」