学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

食育を実感した話

鹿島勇の現在の下宿の隣にはスーパーが二軒あり、大体午後8時〜9時あたりに買い物に行くことが多い。閉店間際になると総菜類、弁当類は半額になるため、それを狙ってワラワラと集まってくる客もそれなりにいるようである。
これはこれで独身者や学生の味方であることもある。

ところが…先日は子供連れの母親が総菜コーナーで半額弁当を選んでいるところを目撃した。
自分で料理を作ることはせず、子供に半額弁当を夕飯として与えるのが当たり前になっているようであった。おそらく、このような母親はかつての日本ではいなかったのではないかと思う。最近流行りの食育という言葉は、食事の内容だけでなくマナーまで含めて子供の教育を考えるものである。
半額弁当を日常的に買い与えるという行為が子供の将来にとってどんな影響があるかと考えると、やはりこれは「よくない」ことと感じずにはいられない。
半額弁当を人数分買う金額で十分料理は作ることができるし、家族がいるのに弁当を買わざるをえない状況はそうそう多くない。
それがどんなものであっても、おふくろの味を知らない子供というのは悲しい。

なお、店売りの弁当は質が悪いとか、味が悪いなどということではない。戦後数十年にわたる食品企業の研究開発により、安い弁当でもそこそこの味は得られるようになっている。スーパーやコンビニで売られているものは、消費者のニーズに合わなければ存続できないので、概して弁当としては成立しているものである。
しかし、そのことは今回の話とは関係ない。これは教育の問題である。