学問の小部屋

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一年ぶりのケース交換

kazima2007-02-03

電算機用ケースをいよいよ交換しました。本来単品ケースを1年で交換するのは「一年ぶり」というよりはずっとスパンの短い行為です。まあ以下を参考にしてください。
今回の交換は、今まで使っていたThermaltake VA8000SWA "ARMOR"というアルミケースは、大型かつ軽量、アルミ製で見た目もよろしい、ファンを取り付けるスペースが多いと一見かなり有用なケースに見えます。もちろん用途に合った使い方をすればよい結果を生むかもしれません。しかし、そうは問屋が卸さないThermaltake製品!

ここの製品は、今までの経験からいってどれもこれも致命的欠陥を抱えていたり使い勝手が非常に悪かったりと、非常に強い癖があります。
癖を列挙していきます。

HDDを大量に積めることもこのケースのメリットとされる。しかし、実際に積みまくると軽量ケースである意味がないし、そんな大量にHDDばかり積むような使い方をする輩は殆どいない。電源ユニットが縦型で入るようになっていて、吸気口からHDDの熱を吸収する設計???これでは電源の寿命を積極的に短くしているようなもの。

また、せっかくの大きなケースなのに電源の縦型配置のせいで庫内が狭くなってしまっており、マザーボードを入れるスペースに余裕がない。むしろ普通に電源を横配置にした方がメリットがある。電源の固定にしても、大型ケースのくせに設置にかなり苦労するなど全く意味ナシ。

天井についているUSB/IEEE1394ポートは一見便利なように見えて蓋の支持部がただのプラスチック製で強度が相当弱い。また、天井部にある必然性も見えず上に物を載せられないなどデメリットの方が多い。

標準搭載されている大量のファンは、もし全部回してしまうと爆音になってしまいナンセンス。一年間の試行錯誤の結果、最終的に回っていたのは電源ファンとCPUファン、リアファンの3つだけであった。(付属ファンは全部外した)

HDDケージというパーツが付いている。HDDを三つ搭載でき、冷却用ファンもマウントできる。これはHDDの設置を簡便に行えるもののはずなのに、実際にはマザーボードを取り付けた状態でケージを出し入れしようとすると必ずIDEコネクタと干渉し無理である。何のためにこのような構成にしているのか全く不明である。

前面はオール5インチベイ仕様、空きベイはメッシュになっており、放熱重視で防音効果皆無。ベイの蓋は取り外すのが非常に困難で、横の蓋を開けて手を裏側から差し込んで思いっきり押し出さないと外せない。

全体的に孔ばかりのスカスカなケースであるから、防音性は皆無に等しい。天井にまで大量に孔が開いているのは、放熱効果を期待するよりも音漏れの効果の方が大。

・・・と、大量に欠陥があるケースでした。

PC自作研究の方にいずれまとめる内容として、ケースの選び方について少し。

重さは一度設置してしまえば普通は問題にならないから、スチールでもよい。むしろ防音性、共振防止のためには共振周波数を下げられるスチールケースの方が有利。最近は前面パネルだけアルミを採用しているような見た目にも配慮したケースが増えているから、総アルミである必要は全くない。アルミケースの方が放熱性がよいというのはデマ。ケースから放熱できるエネルギーなんてたかが知れている。

単品としての性能では大きい方が色々な意味で余裕があるのは事実ではある。しかしむやみに大きいのは避けるべき。それは電算機を置くスペースには気を遣うことが殆どであるからと、大きくなるほど無駄に高くなってしまうから。
実際には、一般的な用途では高さ50cm以上のケースが必要になることはまずない。むしろ横幅と奥行きに多少余裕がある方が保守の面で有利になる。(残念ながら小型で奥行きのあるケースはあまりない。)

もっと一般的な話では、自作を行うこと自体に金銭的メリットが少なくなってしまった現状では、簡単にはメーカー品を買った方がCPRはよいかもしれないし、サポートもついてくる。
自作はあくまで趣味のものであることを念頭に置いておこう。
現在の構成はANTEC SOLOをケースとして選び、冷却方法はリアファンにAero cool 14cmファンをひとつ入れているだけ。CPUはAMD Athlon64 3000+ にクーラーはサイズの「忍者」をファンレスで付けている。
いずれ、HDD冷却用フロントファンにサイズ製の「風拾」をひとつ追加する計画である。それでもケース内でファンは3個しか回らないことになるから、音は全く気にならない。HDDの音が明瞭に聞こえるほどである。それも大して大きくないため静穏化には特に苦労を要しない。

さて、ケースレイアウト完成のためにリアファンの変更とフロントファンの追加を行った。
リアファンとしてSilentFloat 12cm1000rpm(磁気浮上方式ベアリング、騒音17dB)@980円を用意し、「風拾」も購入。
「風拾」はフロントパネルの孔の関係で、フロントパネルの下側にしかつけられない。10cmファン1000rpm吸気、12cmファン1000rpm+電源ファンで排気なので少し吸気が足りないかもしれない。フロントパネル脇のスリット部で十分吸気できているので特に問題はなさそうである。
antec soloは元々工作精度が高いケースではない。裏側の塗装の仕上げなどには雑な部分がある。しかし設計のアイデアと必要十分な機能とシンプルでシックな外観が相まって、安く仕上げても十分評価できるケースと言える。
armorは一年で売り払ったが、こちらは企画変更などが起こらない限り末永く付き合えるケースだろう。具体的には"USB3.0"とかeSATAなどがフロントパネルに実装されるのが当たり前になるような、そんな時代が来ればの話である。

  • 関連して過去に使用したCPUクーラーのthermaltake製"BIG TYPHOON"について;

ヒートパイプの位置が悪くCPUソケット周りの電解Cと干渉する場合が多々ある。無理をするとマザーボードを破損する恐れあり(経験者は語る)。
また、非常に重いクーラー(600g以上)のためマザーボードが歪む恐れもあり。

おまけは新しいケースとの2ショット記念写真。
さようなら、ARMOR...こんにちは、SOLO。