学問の小部屋

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技術者の現状 その3

http://d.hatena.ne.jp/kazima/20100715
にて、技術者の均質化について述べた。
前述のとおり、今回はテクニシャンとならないために必要な学習と成果証明について述べる。
企業でも研究所に属しているのでもなければ、技術者が日々の業務の中で新しい知見を次々と得てステップアップすることは難しい。故に、業務以外のところで学習する必要がある。

  • まず、自己研鑚の代表的なものは公的資格の取得である。国家資格は、所持を前提とする業務独占資格となることが多い。仮に業務に全然関係ない資格であっても、いざというときに持っているのといないのとでは大違いである。(ただし、免許による業務の世界は、免許の所有は当たり前であって、一度中に入ると免許があることは省みられない)また、情報処理技術者試験には理系業務の基本を押さえるのに有用な汎用的知識がちりばめられている。資格取得を云々しなくとも、厚めの教科書を読むだけでも役に立つ。
  • もうひとつは特許出願である。(僭越ながら、ある程度の規模の企業に属していて出願しやすいことを前提にする)公開特許はオフィシャルな業績として意味を持つ。論文よりはウェイトが低いが、アカデミックポイントとしてもカウントされる。こちらは業務の中でも作成することができるため、場合に-よってはさらに有用である。
  • 一方、社内論文や社内資格は、公的な意味をほとんど持たない。ジャーナルにならない社内論文を書いても、社外の人間からは内容を見ようがないため、社内評価以外では役に立たない。(企業が出版するジャーナルに載せるものは除く)社内資格、業績(マネージャーを経験したなど)は、具体的に何をやったかがわからないと、やはり社外の人間にとっては意味を持たない。さらに言えば、別分野で成果を出したことを社内文書で理解させることは至難の業と言える。読む人間が理解できない内容を並べてもまったく意味が無い。

よって、強みのある技術者とは、公的資格を持っている、あるいは特許を示せるような、オフィシャルな成果を持っている者である。
今回は、技術者の自己学習と成果証明の具体的方法について述べた。次回は、それではどんな公的資格に挑戦するべきかについての私見を述べる。