学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

カエサルの尻尾

自説に拘り、既存の実験結果や科学的事実を受け入れない人は、大きく分けて二種類いる。

  • 1.はじめから科学などを信用しない場合

世の中は不思議に溢れており、科学で説明できないものがたくさんある。(これは正しい)
よって、科学などは自分の感性を語るには不十分なものであるから、聞く耳など持たなくてよい。自分の感性を大切するべきである。

  • 2.科学などを過大評価している場合

自分が感じたことは厳然たる事実である。よって科学で説明できるはずである。なるほど、この説明は自分の感覚と合っている。よってこの説明は正しい。他の理論は、自分が感じた「事実」に合わないから間違っているか、不十分である。

いずれの手合いも相手をすると非常に疲れる上に益がない。しかし、こういう手合いを相手にしないといけない場合もあり、論者は常に頭を抱えている。どうしても議論が必要であれば、web上の掲示板などではなく、相手が逃げられないところで議論をするべきであろう。自分がいかに間違っているかを思い知ることは、その人にとってとても有益なことである。また、それがないと人は成長できない。