学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

馬井屋のおかしはとても・・・

たべられやしない!
人間の味覚は一般に温度によって感じ方が変わるというお話。

甘みと塩味は絶対量よりもそのバランスで料理の味が決まる。例えばすき焼きなどは砂糖と醤油で味のバランスを整えるので、最初から砂糖をどっさり、醤油をたっぷり入れてから調味するよりも、両者を少しずつ入れていくことで薄味でもちょうどよいバランスで仕上げることができる。糖分塩分の低減にもつながるので、是非やってみてほしい。

逆に、ある温度で調味した料理は温度を上げたり下げたりすると食べられなくなるものがある。

甘味は温度が高いほど強く感じるので、室温のジュースは飲めたものではない。冷たい状態で飲んで丁度いいということは、それだけ砂糖が大量に入っているということ。

塩味は温度が高いほど弱く感じるので、塩の量の調節は食べるときの温度を考なければならない。おにぎりなどは作りたては温かいので塩をふっても大して塩辛く感じないのに対して、冷めてからはかなりきつく感じることになる。コンビニおにぎりをレンジで温めるとどこかパンチが効いていないように感じるのもこのため。熱すぎるおにぎりは逆においしくない。なので、おにぎりは熱々すぎない温度と塩加減で調味すれば、米のふっくら感とのバランスを取ってベストコンディションが得られる。また、熱々でもかなり塩辛く感じられるラーメンは、相当の塩分が入っているということがわかる。

今回は甘みと塩味に限って述べた。残りの三味覚についてはまたの機会に。しかし、甘みと塩味だけでもコントロールできるようになれば、素人料理のレベルを簡単に超えることができるようになる。その次は温度のコントロールである。
人間の感覚は鋭敏でもきわめていい加減というお話。