学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

「ギョラーラ、スープバイズケ!」

「ギョラーラ、スープバイズケ!」
1960年代の半ば、東京は新橋駅烏森口界隈を根城にする一部のサラリーマンは、中華そば屋のカウンター越しに、こう仲間内の符牒でもって昼めしを注文するのだった。

世の中のありとあらゆる道楽、大衆文化を集めた至福のテレビ番組「ワーズワースの冒険」(フジ系)が書籍となった、寺崎央著「ワーズワースの冒険」に出てくる一節である。

「ギョウザ、ラーメン、ライス、スープ倍付けで」を縮めた言い方が「ギョラーラ、スープバイズケ」だというのである。
日本の大衆食としてすっかり定着したラーメンライス、昼時に中華料理屋へ出かけてラーメンを啜るという当たり前の日常にも文化があるとする。
日本人の大好きな焼きギョウザは、とにかく炊いた白飯によく合う。軽くギョウザのタレが染みたご飯もそれだけでもおいしいし、更にラーメンがついてきてそれなりに安いとなればサラリーマンの昼食にもってこいである。
最後のスープというのは、よく餃子の王将で丼モノのサイドについてくる小さいネギ入りスープのことで、コイツは時にきわめて味がよくあの小さい器では足りないときがあるから、「バイズケ」なのである。
なお、王将のあのスープはオリジナルのレシピでは塩味が抑えられすぎてあまりおいしくない。むしろ水の臭みのようなものが目立ってしまって残してしまうときもある。
なのでそれをわかっている店舗では、ワカメを入れたり敢えて塩味を追加したりしてよりおいしく仕上げて出してくれるところがある。

まさに、大衆文化の生んだきわめて日本的な至福の食卓と言える。

さて、落ち着いてメニューをよく見てみると、すぐに気づくのはコレでは少し食べすぎではないか?ということである。ラーメン店に行けば普通はライスは出てこない。むしろ、ライスを注文するのはラーメン屋ではなく「中華料理屋」である。ここではラーメンはあくまで副次的な一品に過ぎない。
この4品を一人前ずつ食べたのではやはり食べすぎであって、メタボ対策にも財布にも優しくない。特に1960年代と違って現在は物価も上がってこのような構成で頼むと下手をすると1000円を超えてくる。これでは、庶民の楽しみとは到底言えないだろう。
ではこのメニューから何を削るか?やはりライスである。
しかし、餃子はライスのお供的な役割を果たしているので、おいそれと排除するのも残念ではあるので、ここは半ライスにしておこう。できればラーメンの方も半ラーメンを頼んでおけば、カロリー低減に一役買ってくれて少し財布にも優しい。

また、日本の中高年の消費カロリーを考えると実はこれでも多いくらいである。トンカツなど論外で生姜焼き用の豚肉スライスでトンカツにしてもよいくらい、現代の日本の食卓は中高年にとってカロリーオーバーである。

しかし、食卓は楽しみを得る場であることも忘れてはならない。とすれば、このようなメニューもたまには考えるとして、カロリーのことも考えて半ライス、半ラーメンを選択するのは妥当な選択である。
前にも書いたように、肥満の原因は食べすぎである。日ごろから少しずつ食べる量を落としていけば、中高年に至って代謝能力が落ちてきても簡単に対応できる。いきなりマラソンをやろうとしても無理なのと同じく、いきなり減量をするのも無理なのである。
なお、塩分に関しては一回の食事ではそれほど考えなくてもよい。十分水分を摂ればすぐ尿として排出される。

「ギョラーラ、スープバイズケ、半ラー半ライで。」、なんと豊かな食卓ではないか。


このフレーズに関してネット上にほとんど情報がなかったので書くことにした。
なお十代や二十代ではこれくらいのカロリーは日常的に消費できることが多いので、それほど気を使う必要のない者の方が多いだろう。
しかし中高年では明らかに食べすぎなので、半ラー半ライを勧める。