学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

少し前に今日の一言にも書いたことです。

僕はAVについて浅学ながら研究をしています。その成果は音楽室内部の視聴覚室に全て詰め込んであります。
AVの世界は「高画質、高音質」を常に求めるものです。
AV装置の仕組み、音波や映像の伝播については興味があるため、物理数学的な内容については追求する姿勢を取っています。
しかし、ここで大きな誤解を生むのは、僕自身は高音質というものにそれほど拘りはないということです。

スピーカーについてはある程度価格に相関する部分もある(大きさとか)から仕方のない部分もあるものの、自分の市民生活トータルで考えてAV装置に多大なる出費をすることにメリットがあるとは考えていません。仮に超高価な装置を使って最高のサウンドが実現したとしても、熱力学第二法則の観点から言って原音再生が無理である事実を考えて採用することはないでしょう。

故に僕のAVに対する価値観はコストパフォーマンス最優先であり、いかにして知力と工夫で特性的に"よい音"を実現するかが最大の興味です。

もうひとつの目的はAVに蔓延する宗教的な詐欺商品の駆逐です。多くのマニアは”オカルトでも音が変わると感じる、それでいいじゃないか”と語ります。しかし、そうではない。大人になったら自己責任なので、自分でオカルトに手を出して詐欺に遭うのは、刑法で裁くべきことであり個人の問題です。自己完結しているのならあまり口を出すことはないですが、もっと大きな問題は詐欺商品に効果を感じてしまった人間が他の人にその商品を勧めるということです。ニセ科学や詐欺が拡大するのは科学に従事する者にとって最大の害悪であり、「世のため人のため」を目的として掲げる学問の小部屋としてはこれらを攻撃する原動力となります。

第一、詐欺商品で多少音が変わったと”感じた”として、だからどうだというのでしょうか。僕にとって音楽の視聴は感動を得るための手段であり、それ自体が目的ではありません。
別に多少音が変わったとかどうだとか言い出さなくても、僕は音楽に十分感動することができるのです。