学問の小部屋

ここは学問の黒板です。

念のため

6/8に起こった秋葉原の無差別殺人事件について、実は当日の昼間、鹿島勇は秋葉原に向かっていた。
出発が遅れてお茶の水駅にたどり着いたのが午後2時ごろ、そのときに携帯電話で見ていたニュースで事件を知った。もし予定通り出発していたら、ちょうど事件が起こった12時頃にあのあたりにいた可能性が高く、図らずも危険を回避した形となった。

その後用事を済ませてから4時頃に秋葉原の方へ徒歩で歩いていくと、まだ交通封鎖は解かれておらず流血を洗い流すためか現場付近には水が撒かれていた。
報道関係者も多数押し掛けており、物々しい雰囲気ではあったものの現場直近の店以外は通常営業していたようであった。現場には近づかなかったので目前のソフマップがどうであったかは知らない。

歩行者天国で人間が密集しているところを狙った悪質な犯行ではあるものの、その後に「歩行者天国のあり方を考える」だとか、「秋葉原は危険」だとか、「オタクの犯行」だとか言い出すのはお門違いと言うしかない。
仮にこれが渋谷駅で起こったとすれば、渋谷の町のあり方がどうこうと言いだすのであろう。

問題はそんなところにあるのではない。場所がどこであろうが、そこで犯行を行いたいと思う人間がいれば事件は起こりうるのである。これを機に歩行者天国の警備が強化されるということになれば、もし模倣犯が発生すれば警備の手薄なところを狙うだけである。(例えば新宿駅とか、渋谷のスクランブル交差点とか)
ネット掲示板に犯行予告があったから監視を強化するというのも、実際問題として不可能である。現状でも掲示板監視ソフトができたとしても、デマと本物の情報を見分けることは不可能である。仮に本物の犯人が書いていたとしても、真実を書くとは限らない。どこで、という情報だけ改変するだけで警備対応は不能である。個人の頭の中を覗けるようなネット社会は存在しない。

今回のような無差別殺人に関しては、残念ながら予防することはほとんど不可能と考えられる。たった一人で計画したことなら情報が漏れようがなく、突発的な犯行であっても対応できない。
今回の事件を教訓に街のあり方云々を言い出すのではなく、政治経済と教育のあり方をより改善して社会全体の質を高めることが、間接的ながらも最も効果的な方法であると思われる。

今回の事件で「秋葉原は危ないから」などというアホなことを本気で考えている輩がいたら、もう少しよく考えよと諭してやるとよい。そういう輩の思考レベルを引き上げることこそが社会全体の質を高めるということである。